Ana Torfs | アナ・トーフ
アナ・トーフ(Ana Torfs)
1963年ベルギー・モルツェル生まれ、ブリュッセルを拠点に活動
www.anatorfs.com
出品作品
《ファミリー・プロット》2009–10
インスタレーション
アルミ板にマウントしたラムダプリント25点、ガラス面にシルクスクリーン、それぞれ木製のフレーム入り
アルミ板にマウントしたインクジェットプリント25点、それぞれ木製のフレーム入り
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www.flickr.com/photos/parasophia/sets/72157656847885932
ルーヴェン・カトリック大学コミュニケーション科学修士課程ならびにシント=ルーカス・ブリュッセル美術大学映像学修士課程修了。ビデオ、版画、スライド投影、フィルム、サウンド、写真、シルクスクリーン、タペストリーなどの様々なメディアを用いる。トーフの作品ではテキスト/言語とイメージとの関係性あるいは緊張関係が中心的な役割を担っており、併せて表象、解釈、翻訳といった関連行為も重要な役割を果たしている。彼女によって、文化や政治の歴史にまつわる様々な物事についての時事性を帯びた確かな理解が可能となる。しばしば既存のテキストやイメージを作品の出発点として用い、緻密に構成され曖昧な隠喩に満ちたコラージュやモンタージュを制作する。デュッセルドルフのK21とウィーンのゲネラリ財団(「Album/Tracks A+B」2010)やブリュッセルのWIELS現代美術センター(「Echolalia」2014)にて個展開催。近年ではマニフェスタ9(ベルギー・ヘンク、2012)、第11回シャルジャ・ビエンナーレ(アラブ首長国連邦、2013)、シカゴ現代美術館「The Way of the Shovel」(2013)、第1回カルタヘナ・デ・インディアス・ビエンナーレ(コロンビア、2014)に参加。日本では、京都国立近代美術館(2013)、東京国立近代美術館(2014)を巡回した「映画をめぐる美術——マルセル・ブロータースから始める」に出品。
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015で出品する《Family Plot》[ファミリー・プロット]は、彼女が選んださまざまな先人たちの歴史を50点の版画によって提示する。中心人物は現在も使われている植物の学名命名システムを確立したスウェーデンの自然学者カール・リンネ。植民地時代には、この命名法によって外国の植物はその発見者——たいていはヨーロッパ人であったが——にちなんで名づけられた。植物学名に魅力を感じたトーフは、その名前の由来となった大航海時代と帝国主義時代の25人の後援者たちの「世界」を探求し、単一の歴史観からは理解不能な軸に沿って発展する文化史を露わにする。鑑賞者は綿密に調査され、美しく配置された作品の前に立ち、世界史の暗部についてのきわめて個人的な見方を示す「世界の絵地図」を経験するのである。
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アナ・トーフ《ファミリー・プロット》2009–10 「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」京都市美術館会場での展示風景 写真:河田憲政