Harun Farocki | ハルーン・ファロッキ
ハルーン・ファロッキ(Harun Farocki)
1944年ドイツ併合下のチェコスロバキア生まれ、2014年ベルリン没
出品作品
《トランスミッション》2007
ビデオ(43分)
ハルーン・ファロッキ・フィルムプロダクション蔵
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www.flickr.com/photos/parasophia/sets/72157656462271498
これまでに100本以上のテレビ番組や映画を手がけ、90年代中盤以降は美術館やギャラリーでインスタレーション作品も数多く発表。マスメディアや監視カメラ、プロパガンダフィルムなど多岐にわたる映像を素材に、徹底した調査・分析の視点を通して現代社会の構造に迫る実験的なドキュメンタリー映像を制作してきた。ドクメンタ12(2007)では、前年に行われたFIFAワールドカップドイツ大会決勝イタリア対フランス戦を、実写やCGを用い多面的に記録したインスタレーション作品《Deep Play》を発表。PARASOPHIAでの出品作《Transmission》[トランスミッション](2007)では、ワシントンD.C.のベトナム戦争戦没者慰霊碑をはじめ、世界各地の記念碑や聖地を訪れた人々の儀式化された身体の動きがクローズアップで映し出される。石碑に寄せられる頬や唇、刻まれた死者の名前をなぞる指先など、信仰や目的に応じて様々な形を取るそれらの行為を通して、記念碑が巡礼者から観光客まで多くの人々の想いを受け止め、崇拝の対象とされている様を考察している。
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ハルーン・ファロッキ《トランスミッション》2007 ハルーン・ファロッキ・フィルムプロダクション蔵 「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」京都市美術館会場での展示風景 写真:河田憲政