Susan Philipsz | スーザン・フィリップス
スーザン・フィリップス(Susan Philipsz)
1965年イギリス・グラスゴー生まれ、ベルリンを拠点に活動
www.susanphilipszyouarenotalone.com
出品作品
《インターナショナル》1999
シングルチャンネルのサウンドインスタレーション
2分10秒/開館日 9:00–17:00 10分ごとに再生
京都市美術館前にて展示
《三つの歌》2015
4チャンネルのサウンドインスタレーション
2分43秒/開場時間内 毎時00分と30分より再生
鴨川デルタにて展示
全ての展示風景写真を高画質で見る:
www.flickr.com/photos/parasophia/sets/72157656454063159
初期の作品は彼女の歌唱を唯一の音源(楽器)として使い、民謡やポップスを歌う彼女の声をシンプルなスピーカー構成で作品化する。作品は美術館やギャラリーではなく、バス停や高架下、スーパーマーケットなどの日常的な騒音が混在する場所に置かれることが多い。設置場所に応じて選ばれる歌は、しばしば政治的、社会的な意味を持っているが、フィリップスの優しい歌声は、歌詞が伝えるメッセージだけではなく、鑑賞者自身の個人的な記憶や感情を強く喚起し、聞く者に今いる場所の記憶を再認識させる。彼女の作品はサウンドインスタレーションとして分類されることが多いが、音を素材に時間と空間を分節する彫刻であるともいえる。2010年ターナー賞受賞後は、ドクメンタ13(2012)、マニフェスタ10(2014)、札幌国際芸術祭2014などに参加。
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015では、京都市美術館の前に《The Internationale》[インターナショナル]を設置すると共に、鴨川デルタで新作《三つの歌》を発表する。《インターナショナル》は作家自身がアカペラで歌う同名の革命歌で構成される。ある人にとっては扇動的に、ある人にとっては過ぎ去りし日の儚い夢を思い起こさせる痛ましい作品ともなりうる。《三つの歌》は2014年4月と7月に京都で行った調査に基づき、賀茂川と高野川が合流する鴨川デルタで展開する。本作は歌舞伎の原点とされる出雲阿国らの四条河原での上演を振り返り、トマス・レイヴンズクロフト『パメリア』(1609)に収録されている同時代のイングランドの舞曲や民謡で構成される。
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スーザン・フィリップス《三つの歌》2015 サウンドインスタレーション 「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」鴨川デルタ会場での展示風景 写真:河田憲政