Yoshimasa Ishibashi | 石橋義正
石橋義正(いしばし よしまさ)
1968年京都生まれ、同市を拠点に活動
www.ishi-pro.com
出品作品
《憧れのボディ/bodhi》2015
短編映画(移動鑑賞タイプ)
マルチチャンネルのビデオ、マルチチャンネルのサウンド、人形2体、LED照明ほか
約20分–1時間
全ての展示風景写真を高画質で見る:
www.flickr.com/photos/parasophia/sets/72157656452130779
京都市立芸術大学大学院造形構想在学中にロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)映画科に交換留学後、アマチュアの俳優と共に低予算で制作した16mm映画『狂わせたいの』(1997)が日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞、映画界だけでなく一部の美術関係者からも「上質なB級映画」として高い評価を受けた。最新作は山田孝之主演『ミロクローゼ』(2011)。また、美術、音楽、映像が融合するグループ「キュピキュピ」を主宰し、作品制作やパフォーマンスを行っている。その領域横断的で過激な娯楽性に満ちた作品は、1999年の「身体の夢」(京都国立近代美術館)への出品以降、世界各地の美術館や国際展に招待されている。2010年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で個展開催。2011年の京都創生座とのコラボレーション作品『伝統芸能バリアブル』(京都芸術劇場春秋座)では、女性たちによる古典芸能のステージに3D映像を使用して話題を呼んだ。
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015では、新作《憧れのボディ/bodhi》を発表。鑑賞者は展示空間を移動しながら、悪夢、幸福、身体、欲望といった様々な関係性の中で翻弄されるある女性の人生を映画的に体験していく。複数の映像と音響、立体物などで構成された展示空間の中を鑑賞者は絶えず前方へ誘導され、その移動は映画のシークエンスの連鎖のような物語的体験を鑑賞者に抱かせる。本作品は鑑賞者が展示空間(映画装置)を身体的に移動して作品を読み進める短編映画であると同時に、映画装置の空間的展開(インスタレーション)であり鑑賞者の錯誤やストーリーの恣意的な解読をも許容する、映画についての別の思考を促す実験装置でもある。
-
石橋義正《憧れのボディ/bodhi》2015 「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」京都市美術館会場での展示風景 写真:河田憲政